チェンマイの木槌マッサージ「トークセン」体験。音楽家がガチで癒された不思議セラピー
こんにちは!
スタジオイオタの前田紗希です☺️
春、理学療法士の夫が「タイ式マッサージの資格を取る!」と、タイ北部の古都、チェンマイに短期留学することに。「え、面白そう!」ということで、私も音楽の仕事を調整して一緒についていくことにしました。
夫婦で数週間ほどアパートを借りて、のんびりチェンマイライフを満喫です。
チェンマイのいいところは、街のあちこちにあるお寺(ワット)で、びっくりするほど気軽にマッサージが受けられること。
散歩のついでにふらっとマッサージに寄るのが日課になっていたある日、ふと耳に入ってきたのが、お寺のマッサージ院から聞こえる「コン、コン、コン…」という不思議な音でした。
なんとなく気になって覗いてみると、施術者さんが木槌みたいなもので、お客さんの体をリズミカルに叩いているではありませんか。
「えっ、なにこれ?! 痛くないの…?」
それが、私と謎のマッサージ「トークセン」との出会いでした。
チェンマイには無数にお寺がある。
いざ体験!みんなで一つの音楽を奏でるみたいなマッサージ
私が実際にトークセンを受けたのは、旧市街にある「ワット・マハワン」というお寺。ここは“強めの施術”で知られているらしく、口コミを見て「どんなもんかいな」と、ちょっとドキドキしながら向かいました。
建物の2階に入ると、すでに6~7人くらいのお客さんが。しかも、その半分以上が例の木槌マッサージを受けているっぽい!
案内されたマットレスにうつ伏せになると、さっそく「強さはどうする?強め、中間、弱め?」みたいなことを聞かれました。
木槌で叩くと聞くと、なんだかすごく痛そうに感じますよね。でも実はその逆。タイでは、痛みを伴う強圧のマッサージが苦手な人が、心地よく癒やされるために通う人気の治療法なんだそうです。
とはいえ初めてなので、もちろん「弱めで!」とお願い。
タオルが取り替えられているのか不明なのはご愛嬌。笑
音が気持ちいいって、こういうことか
いよいよ私の施術もスタートです。
まず驚いたのは、やっぱりその“音”。
乾いた木の音が、すぐ耳のそばで「コンコン」と鳴っていて、なんとも不思議な気分…。
うとうとしてきた頃、ふと周りを見渡して、面白いことに気がついたんです。
ほかのベッドからも、まったく同じテンポの「コンコンコン…」という音が聞こえてくる。
まるで、施術者さん全員が同じ曲を演奏してるみたいに。指揮者なんていないのに、ピタッとそろったリズム。
BPM(テンポ)は、たぶん160くらいかな?
▼実際の音とリズムはこんな感じ!ぜひ音を出して聴いてみてください。
【ちょこっと解説】で、結局「トークセン」って何なの?
この不思議な木槌マッサージ「トークセン」って、いったいどんな施術なんでしょうか?
トークセン(Tok Sen)は、タイ北部に古くから伝わる伝統療法で、なんと数百年もの歴史があるそうです。(なかには1400年以上前からあったっていう説もあるとか…!)
・トーク(Tok):叩く
・セン(Sen):エネルギーライン(経絡みたいなもの)
つまり「エネルギーラインを叩く」施術。
「コーン」っていう木槌と、「リム」っていう杭みたいな道具(うまい棒くらいの太さの棒)を使って、
この「セン」に沿って「コンコンコン♪」「ポクポクポク♪」と叩いて振動を与えます。
この振動が、指では届きにくい体の奥の筋肉をゆるめていくんだそうです。
体のめぐりを整えて、人が本来持っている自然治癒力をサポートしてくれる、
そんな古の知恵がぎゅっと詰まった施術なんですね。
しかも道具にも秘密が。よく使われているのは「雷が落ちたタマリンドの木」で作られたもの。雷に打たれることで邪気が浄化され、神聖な力が宿るとされているとか。
そんなエピソードもまた、なんだかありがたみが増しますよね。
じゃあトークセン、どんな効果が期待できるの?
調べてみると、こんなにうれしい効果があると言われているみたいです!
- ✅ ガチガチの筋肉のコリを短時間でほぐして、体が軽くなる!
- ✅ 血行がよくなって、体がポカポカ温まる♨️
- ✅ “セン”を刺激して、神経の伝達もスムーズに
- ✅ リンパの流れを促して、むくみもスッキリ
- ✅ あの不思議な音と振動で、ストレス解消&超リラックス…(これはガチ)
- ✅ まさかの美容効果も?!小顔やヒップアップも期待できるんだって!
【音楽家の本音】これ、もはや体で聴く“音楽”では
複数のトークセンの音が部屋中に響き合って、ひとつのリズムがうねる。
おぉ…これ、めっちゃ良い!
私はふだん、音楽家として音楽療法にも関わっているのですが、このトークセンは、どうしても“音楽”として感じずにはいられませんでした。
テンポ、リズム、振動、そして絶妙な“間(ま)”
音楽をつくるうえで大切にしている要素が、トークセンの中にまぁ揃っている気がして…(笑)
トントンされるだけで、頭が空っぽになる快感
一定のテンポで刻まれるリズムが、頭の中の雑音をすーっと消してくれて、木の振動が体の奥深くまでリラックスさせてくれる。
これってもしかして、人を心地よくさせると言われる「1/fゆらぎ」みたいな効果があるんじゃないかな…?
マッサージなんだけど、体で聴く音楽って感じでした。
【旅のINFO】チェンマイでトークセンが受けられる場所とか料金とか
チェンマイには、トークセンを受けられるお寺が何ヶ所かあります。特に旧市街周辺は、アクセスも良くておすすめ!
■おすすめスポット3選
ワット・マハワン(Wat Mahawan)
今回私が行ったお寺。旧市街の東側、ターペー門のすぐ近く。タイマッサージとトークセンを組み合わせて受けることもできます。
ワット・パーンウェーン(Wat Phan Waen)
旧市街の南側にある静かな場所。落ち着いて施術を受けたい方にぴったり。
ワット・シースパン(Wat Sri Suphan/シルバーテンプル)
口コミによると、ここの代表のヌンさんとお弟子さんの施術がすごいらしい!絶妙な力加減とリズム感、ツボをとらえる感じはまさに神業…!なんて声も。(先程の貼り付けのYoutube動画は、ここ)
■料金の目安(※2024年8月時点)
- トークセン:1時間 220~250バーツ(約980~1,100円)
- タイ古式マッサージ:1時間 180~200バーツ(約800~900円)
まとめ:チェンマイで、不思議なリズムに癒やされてみて!
チェンマイで出会った、木槌のマッサージ「トークセン」。
「音楽」と「療法」のあいだに、こんなセラピーがあるんだ――。
そう思わせてくれる、面白い出会いでした。
音楽や身体に関わる方、そして何か新しい癒しを探している方に、ぜひ一度体験してみてほしいです!
リゾートスパとは言いがたい雰囲気ですが、お寺の静けさと鳥の声、木槌の音が子守唄がわりに、心と体をゆるめてくれますよ。
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