IOTA-LOG

おとと、たびと、しごと

見つけてくださってありがとうございます✨️

スタジオイオタ代表の前田紗希です。

 

レコード会社の運営や自身のドラマーとしての活動を通して、

公私ともにお世話になっている Zin “Atrevido” Hitoshi(小川仁)さん。

現在はメキシコを拠点に活動されていますが、先日一時帰国されたタイミングで、

ゆっくりお話を伺うことができました。

 

久しぶりに再会した仁さんの口から、真っ先に飛び出してきたのは、

まさかのマフィアとの攻防戦

してアメリカ入国を拒否されかけたという渡航トラブルの話。

 

第1回は、音楽の話にたどり着く前の(笑)、濃密すぎる海外サバイバル体験をお届けします。

 

旅の落とし穴。キューバへ行くとアメリカに入れない、という実体験

 

皆さん、こんにちは。Groove冒険家のZin “Atrevido” Hitoshiです!

音楽家、特にリズムを探求する人間にとって、キューバは一生に一度は訪れたい聖地のような場所。

僕もグルーヴの探求をする中でキューバを訪れた一人ですが、

実はキューバ渡航には大きな「落とし穴」があることをご存知でしょうか。

 

これからアメリカを経由、あるいは訪問する予定のある方に、

僕の切実な体験談をお話しさせてください!

 

結論から言うと、キューバへ入国すると、アメリカのESTA(電子渡航認証)が取得できなくなります。

キューバやシリア、イラクといったいわゆる「テロ支援国家」に指定されている国への渡航歴があると、

現在のアメリカのシステムではESTAの申請が通らない。

 

僕も今回の一時帰国で、この罠にハマりました。

ESTAが使えない場合、アメリカへ渡航する、またはただの経由でも、通常のビザを取得するしかありません。

参照:在日米国大使館と領事館(よくある質問)

 

突然のESTA申請不可、そして始まる大使館通い

キューバ入国でアメリカESTAが使えなくなる

日本に帰国した際、アメリカ経由でメキシコへ戻る予定だったため、ESTAを申請しようとしたら、

まさかの申請不可

原則として、アメリカ大使館または領事館でビザを取得してください、という案内が表示されました。

というわけで、急きょアメリカ大使館での面接へ向かうことに。

 

まあ、知ってたとしても、たぶんキューバには行ってたと思いますけどね(笑)

でも、取れないの?ってなったわけです。

 

ビザ申請は、想像以上に長い戦いだった

メキシコでアメリカのビザを取ろうとすると、今は3年待ち、4年待ちが当たり前。

その点、日本は申請者が比較的少ないため、面接の予約はすぐに取れました。

面接を終了し、面接官に取得日数を聞くと1週間くらいでビザは発行されますよと言われ、それを信じて待っていたら。

10日経っても連絡が来ません!!

 

不安になってマイページを確認すると、いつの間にかステータスが解決済みになっていました。

内容を見ると、「前の名字が違うはずだ。なぜ面接で説明しなかったのか

という指摘。

結婚で名字が変わっただけなのですが、そんなこと面接では聞かれませんでした!

「ほら、パスポート見てください。ここ、名字違いますよね?」って。

 いやいや、結婚したんですってば!(笑)

急いで説明を送りましたが、そこからまた音沙汰がなくなります。

 

それだけじゃなかったんですよ。

面接から15日以内は問い合わせを受け付けないというルールがあり、ようやく15日経って返信が来たと思ったら、

今度はサンクスギビング(感謝祭)に突入してしまいました!!!

 

アメリカの事務所は完全にストップします。彼らは休みをしっかり取りますからね。

しかもこの間、問い合わせ不可なんですよ。ただひたすら待つしかない。この焦燥感ったらもう……。

ビザの取得にはパスポートを領事館に預けるため、国を出ることができない!

 

結局、メキシコへの帰国便を1週間遅らせることになりました。

仕方がないので毛ガニを喰らう!www

 

成田で搭乗拒否!ESTA問題の危険な落とし穴

アメリカのESTA申請フォームには、渡航履歴についての質問があって、

キューバへの渡航歴があるかどうかを聞かれます。

また、犯罪歴やテロ行為への関与、健康状態などについての「はい/いいえ」の質問が並んでいて、

該当するとESTAは即座に却下されます。

うわ、本当に行けないんだなと、その時初めて事の重大さに気づきました。

 

かといって、嘘をつくのはもっと危険です。

メキシコ在住の日本人の友人は、渡航履歴を「なし」として申請し、いったんはESTAが承認されました。

メキシコからアメリカ経由で成田へ。そこまでは良かったんです。

ところが、日本滞在中にアメリカ側から「ESTAを無効にしました」という通知が届いたんですね。

 

本人はそれに気づかないまま、帰国当日に成田空港のカウンターへ。

そこで告げられたのが、

あなたは搭乗できません。

まさに「えー!」という事態ですよね。

 

結局、お子さん二人を含む家族3人分のチケットをその場で買い直すことになり、かなりの出費になったそうです。

往復で購入していたアメリカ経由の便は、すべて無駄になってしまいました。

直前の航空券は非常に高額ですし、これは本当に洒落にならない話です。

 

僕はその話を聞いていたので、メキシコへの帰国は直行便を購入していました。

メキシコで有名なリゾート地、アカプルコの朝焼け

 

海外拠点の人間にとって「ビザ」は一生の課題

ESTAが取れない以上、今後アメリカへ行くにはずっとビザを取り続けるしかありません。

おそらく、一度でもキューバへ行けば、テロ国家指定が解除されない限りは、一生ESTAは使えないと思っていたほうがいいでしょう。

ビザ申請には2万5000円ほどかかりますが、一度取れば10年間は有効です。

ちなみに、ChatGPTに相談したときは「間に合いますから大丈夫ですよ」なんて言われましたが、

全然間に合いませんでした(笑)

 

アメリカ経由という安くて便利なルートが使えないのは、海外で活動する音楽家にとってかなりの痛手。

 

これからキューバへ行こうとしている方は、ぜひこのリスクを頭に入れた上で計画を立ててほしいと思います。

キューバ自体は音楽家なら間違いなく行くべき素晴らしい場所ですが、その後の苦労もセットだということです。


 

音楽の話をする前に、メキシコでの命がけの日常を語らせてほしい

さて、ここからは少し怖いお話。

メキシコ生活7年、ヒヤッとしたできごと選手権のトップ10にランクインする体験でした。

 

メキシコ・サバイバル。Facebook売買で出会った「マフィア」の脅迫

きっかけは3ヶ月ほど前、

車を買い替えるために古い車をFacebookの個人売買ページに出したことでした。

海外のFacebookには個人売買グループが活発にあり、

日本で言うメルカリのような感覚で何でも売り買いされているんですよ。

 

で、「売ってますよー」って出すと、もうすっごいコンタクトくるわけです。

例えばスマホ売りますって出しても、大体30件とか40件とかバーって問い合わせがくる。

でもみんな「まだ売ってますか?」って聞いてくるだけで、実際は別に興味ない(笑)

50人コンタクトしてきて、全員に返信して、3人ぐらい返事くればオッケー。その中の1人ぐらい実際に会うかどうか、ぐらいの感じです。

 

便利ではあるんですが、そこには巧妙な詐欺師も潜んでいます。

僕が遭遇したのは、いわゆる二重詐欺と呼ばれる手口でした。

 

紳士的な買い手。でも本人が来なかった

その中に1人、すごい興味ありそうな人がいたんですよ。

しかもすごい紳士的な感じで。やっぱり紳士的なんですよね、詐欺師って!

まあ、この人なら大丈夫だろうと油断してしまった。

 

メキシコでは、現金でのやり取りはかなり危険だと言われています。

現金を受け取った帰り道に強盗に遭うケースも珍しくない。

 

なので「現金は嫌だ。振り込みで」と伝えると、相手はあっさり了承。いいよいいよと。

受け渡し場所も、人目のある大きなショッピングモールの駐車場にしました。

そしたら、来たのはFacebookに写真のある本人ではなく、代理の運転手。

そこでもう気がつかなきゃいけなかったんですよね。

 

何で来ないの?って聞いたら、いや今銀行にいて、今から金振り込むとこだからって。あ、そっかみたいな。

で、やり取りしてお金振り込まれたんですが、振り込みが直で入らずに、なぜか小切手払いに。

 

犯人は小切手振込を悪用して入金されたかのように装って、

さらには「手付金を先に返せ」とだまし取ろうとしてくる手口でした。

 

「俺たちはマフィアだ」脅迫メッセージの恐怖

こちらが不審に思って取引を断ると、相手の態度が一変しました。

いきなり脅迫メッセージが届いたんです。

『俺たちはマフィアだ。お前の住所も知っているし、家族や子供の写真も持っているぞ』と

 

……マジで血の気が引きましたよ。

異国で家族を守る立場として、これほど恐ろしいことはありません。

メキシコって、こういうの本当にあるんです。冗談じゃなくて。

 

もう怖くて。

でも警察に行っても、正直まったく頼りにならないんですよね、メキシコの警察って。マフィアとの癒着があり仲間みたいな印象ですし。

どうしようかと本気で悩みました。

※ 小切手、週末の取引は詐欺の常套手段らしいです。

 

現地の友人達から学んだ、強烈な教訓

この件を通して、メキシコの友人達から、かなり強烈なアドバイスを受けました。

「メキシコっていうのはそういう国だから、みんなそういう目に遭うのよ。
 君の番が来ただけなんだよ。」

 

「高いものは絶対にFacebookで売らないように。
 鉄パイプを常備して自衛しているような、信頼できる実店舗で売買して」

 

……鉄パイプですよ、鉄パイプ。

日本では考えられないような物騒な教訓ですが、

これがメキシコで生き抜くためのリアルな知恵なんです。もう笑うしかない(苦笑)

 

結局、その後はちゃんとした中古車店に行って売却しました。

手数料は取られますけど、安全には代えられない。身の安全が第一ですからね。

でも本当に、身ぐるみ剥がされなくてよかった。

 

音楽の前に生き延びろ。サバイバルの先に待つもの

マフィア(?)との対峙、そしてESTAの罠。

音楽の話をする前に、これほどまでに濃いお話になるとは思いませんでした。

 

それでも僕が、メキシコでの活動をやめない理由。

それはやっぱり、ラテンアメリカでしか得られない音があるからです。

 

次回はいよいよ音楽の話へ。

医者より稼げるミュージシャンがいる?という、キューバ音楽文化の不思議な裏側に迫ります。

どうぞお楽しみに!

 

神奈川県横須賀市育ち。 ドラマー,パーカショニスト。

ブラックミュージックに傾向し、リズムのルーツを探る。
2018年よりメキシコ移住。横須賀市久里浜でRAGドラムスクールを主催。
YAMAHA Popular Music School講師として、14年の講師活動。
ドラムプロショップGATEWAYにてキッズスクール講師として10年の指導活動。

 


 

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