【DTM】「効果音」がもたらす音楽の制作プロセス|自然音のミックスの秘密を公開します!
自然音の効果音をフィールドレコーディングで作る方法|DTMミックス術
見つけてくださってありがとうございます✨️
スタジオイオタ代表の前田紗希です。
普段は歌のない音楽を作っていますが、制作には自然音がよく登場します。
でも、みんなが知らないのは自然音を収録するために実際に現場へ足を運んで録音しているってこと!
音楽制作の工程を紹介するので、ぜひ見てください♪

作曲家、ドラマー、鍵盤奏者、RECエンジニア、音楽心理士。国立音楽大学在学中にデビューし、ロンドン・ベルリン・ニューヨークでの演奏経験を重ねる。
25リットルのリュックとドラムスティックを携えて世界一周のち、旅・音楽・食を融合させるレコード会社「studio iota LLC.」を設立。
現在9つの事業を展開している。また音楽療法士として、音楽療法の普及にも取り組んでいる。
オウンドメディア4誌の編集長で「車中泊」コンテンツなど数々のSEO1位を生み出す。
アイデアを生み出すプロセス🌿
いま、私の目の前では鳥が「チュンチュン」と鳴いています。
この自然音を収録していくわけですが、
職業音楽家の曲づくりは、ひらめきだけで進むものではありません。
楽曲を構築するためにさまざまな情報を集め、分析し、アイデアを生み出しています。
無から何らかのアイデアを生み出すプロセスを、ざっくり箇条書きにすると下記のようになるかと思います。
アイデアが形になるまでの下ごしらえ🎼
- リファレンス音源集め
YoutubeやSpotifyに飲み込まれるほどに浸るくらい聴き込んで、気になった部分は手書きでメモを取ります。
いわゆるアナリーゼと呼ばれる楽曲分析をおこないます。 - 自分なりのアレンジをして弾いてみる
次に、ピアノやドラムで自分なりにアレンジしながら弾いてみる段階。
曲に当てて演奏しながら、「この場面なら水の音が合いそう」「鳥の声を入れたら空気感が出そう」と構想を膨らませていきます。 - アイデアを形に!
イメージが固まってきたら、録音を始めます!
フリー素材の効果音を仮でいろいろ差し込んで、全体の雰囲気を確認します。
個人的には、この時間がいちばん楽しい工程だったりします。 - 評価!
最後に評価。全体を聴き返し、何が足りないかを確認します。「この音は自分で録ったほうが良さそう」の判断をしながら、収録に向かう自然音を決めていきます🎵
とまあ、アイデアを生み出すためには適切な準備が必要であり、場合によってはアイデアを生み出す時間よりも、アイデアを生み出すための準備のほうが多くの時間をかけることは珍しくありません。
効果音の収録は、『4.評価!』の部分として捉えている作業です🌿
いきなり録音しに行くんじゃないんですね。
鳥の声、水の音、街の雑踏。「効果音素材を使っている」と思われることも多いのですが、ひとつずつ録音しています
収録当日、気をつけていること🎒
アイディア出しが済んだあと、自然音を求めて現場に向かう日は、服装から見直します。
動きやすくてガサガサ音がしない素材の服がベター。
足元は滑りにくい靴を選びます。
野外は風が強かったりたり、虫が飛んできたりしますので、場合によっては防寒や虫除け対策しておくといいかもしれません。
収録機材については詳しく書かれているサイトサイトに譲るとして、録音そのものの話を進めます。(そこ割愛するんだw)
滝での収録、距離で変わる音像💧
向かった先は富士山の湧き水が流れる滝で、ものすごく水が綺麗!
自然豊かな中での時間は最高で、気持ちがリセットされます♪
ここで少しだけ「音像」という言葉について…人はある音を聴いただけで、音源の位置・大きさ・形などを感じ取ることが出来ます。
この感覚的にとらえた音を音像といいます。
録音する場所が少し変わるだけでも、イメージは変化します。
まず試したのは、対象からの距離による違い。
遠くから録った水の音と、近くから録った水の音を聴き比べてみましょう。
- 水の音(遠くから録音)
- 水の音(近くから録音)
違いませんか?
近くからの音は水流音と分かりやすく、
遠くからの音は、空気をまとっている感がありますね。
さらにさらに、同じ「近く」でも場所を変えてみましょう。
- 水の音(近くから録音・石のある場所)
水が石にぶつかってチャプチャプと跳ねる音が加わることで、
より水の音としてわかりやすい素材になりました。
距離や場所を少し変えるだけで表情が変わるので、素材はいくつかのパターンで録っておくのがおすすめです。

真夏の時期は水量が減ることがあったり、季節によってまた印象が変わります!
フィールドレコーディングのミックスの秘密を公開します!
アイデアを形にしたら、そのまま完成ではありません。
メンバーやお客さんに聴いてもらい、感想をもらいながら少しずつ磨き上げていくこともよくあります。
そのうえで、最終的な成果物を目指して作り込む。もちろんここにも多くの時間がかかります。
その際に我々はミックスと呼ばれる作業をしながら少しずつ完成度を高めていくことが一般的です。
ミックスについて何がいいかと考えると、「人それぞれ」と前置きをせざるを得ないのだけど、
現時点で私が処理するであろう工程についてご紹介していきます。
あらゆるノイズを軽減しよう
ノイズリダクション(noise reducer)
まずノイズの軽減から。ノイズリダクションで収録場所に混じった、対象とする音以外の不要な音を取り除きます。

ディエッサー(Deesser)
耳につきやすい帯域を狙って調整します。
自然音でも、高域が強く出すぎる場面では活躍するプラグインです。

イコライザー(EQ)
濁りを取ったり、スペースを作っていきます。
他の楽器と混ざったときにも埋もれないよう、音の居場所を作るイメージです。

サウンドを補強しよう
不要な帯域を整理したら、次は音の存在感を整えていきます。
ハーモニックエキサイター(Harmonic exciter)
ミックス内で音を抜けさせたいときや、ローエンドを補強したいときに使っています。

リバーブ(reverb)
音に残響音や反射音を加え、空間的な深みや広がり感を出していきます。
たとえば楽器と自然音が同じ空間で鳴っているような一体感を出したいときに欠かせない工程です。

ダブラー(Doubler)
音に広がりや厚みを加えたいときに便利なプラグインです。
私はセンド/リターンで使うことが多く、必要な分をほんの少しだけ加えています。

サウンドをなじませよう
真空管・テープ・Lo-FI
太さやキャラクター、歪みをトラックに足して、音を馴染ませていきます。
録ったばかりの音がきれい過ぎて浮いてしまうこともあるので、
わざと汚すことで浮きがちな自然音が楽曲に溶け込んだりもします、不思議ですね。

サウンドを生き生きとさせよう
ボリューム・オートメーション(Volume)
音に強弱を加えて、サウンドにアクセントを付けると、
場面にグッと展開が広がります!
自然音も鳴らしっぱなしにするのではなく、必要な場面で少し前へ出したり、そっと引いたり。
細かな積み重ねが、最終的な聴き心地につながっています。
フィールドレコーディングは、これからもっと面白くなる🌳
ここまで、普段行っているフィールドレコーディングの流れを紹介してきました。
自然音を録音する前から制作は始まっています。
どんな音が合うか考えて、現場へ向かい、持ち帰った素材をミックスで曲と馴染ませていく。
そんな工程があって、一曲が完成していきます!
AIの進化によって、音楽制作の方法も大きく変わり始めていますよね。
効果音を生成できるサービスも増えましたし、フリー素材だけでも十分な場面は以前より多くなりました。
わたし自身も制作の中でAIを活用することはあります。
ただ、滝の前で録った水音や、森で偶然録れた鳥のさえずりのような素材は、その日、その場所でしか出会えないものです。
風の強さや水量、季節によって毎回違う表情を見せてくれるので、
今日はどんな音に出会えかな〜と思いながら現場に立つ時間は、制作の中でもお気に入りです🌳

骨組みができるまでに、けっこう地道な作業を重ねることも
技術が進歩しても、わざわざ足を運んで録音する面白さは変わらない気がしています!
もし自然音を使った楽曲制作に興味があれば、身近な公園や川辺でも十分です。
レコーダーを片手に歩いてみると、普段は気付かなかった音がたくさん見つかるかもしれません。
小さな発見が、次の一曲につながっていくことも、本当にあります。(モチベーションが湧く!)
また「こんな場所で録ってきたよ!」というレポートも書こうと思いますので、楽しみにしていただけたら嬉しいです🎵
フィールドレコーディングを取り入れた楽曲も公開しています🎧
今回紹介したような制作工程を経て完成した楽曲が、こちらです。
架空の世界一周をテーマに活動しているインストゥルメンタルバンド、流れるイオタ(前田紗希・矢野聖始)のアルバム『Stella Campus』というアルバムです。
鳥の声や水の音など、実際に収録した自然音を楽曲に取り入れながら、キャンプからインスピレーションを得た全11曲のアルバムで、「Stove」や「Hot sandwich」といった曲名からも雰囲気が伝わるかと思います🪵
キャンプはもちろん、おうちでのリラックスタイムや作業用BGMにもおすすめです。
ぜひ、ヘッドホンやスピーカーで聴いてみてください。

