蔵前カルチャー散歩!下町のものづくり精神が生んだ空間と音楽のカフェ巡り
こんにちは、studio iota label の前田サキです。
下町の情緒と新しい文化が融合する街、蔵前。
カフェ巡りや個性的な雑貨店、歴史ある神社まで、
歩いて楽しめる魅力がぎゅっと詰まったエリアです👜
今回は「音楽好き・カルチャー好きカップル向けの蔵前デートコース」と題して、
空間の雰囲気やBGMのセンスが光るお店を中心に歩いてみました!
▶️前回記事
現在たくさんのマンションが立ち並んでいますが、幼い頃は住んでいる人が少なかったエリア。
蔵前はちょっと暗〜い雰囲気で、浅草と浅草橋に挟まれたエリアのイメージしかありませんでした。まさか”東京のブルックリン”になるなんて。
(2021年版)
まずはその「Gemini(AI)が提案してくれたルート」をGoogle My Mapsでご紹介しますね。
蔵前って、どんな街?
散歩の前に、少しだけ蔵前の話を。
隅田川沿いに広がるこの街は、江戸時代から玩具や祭り用品の問屋街としてにぎわってきた場所。
街を歩いていると、なんとも味のある佇まいの問屋の横に、突然おしゃれなバーラウンジのあるホステルが現れたり、古い倉庫をリノベーションした新しめの店舗があったり。
この「昔と今」が自然に混在している感じが、なんとも不思議で心地いいんですよね!
一方で、昔ながらの問屋も現役で営業中。新旧入り混じる「徒蔵」(かちくら/御徒町~蔵前~浅草橋)エリアでは、古き良き建物をちらほらと見かけます。
花火やビー玉、懐かしいおもちゃが並ぶ通りを歩いていると「あー、これここから来てたんだ!」なんて発見があったりして。
打上げまりも花火
ノスタルジックな雰囲気と現代のトレンドが交差するこの街は、大人の街歩きデートにぴったりです🥾
そして実は蔵前、近年「コーヒータウン」とも呼ばれるほど個性豊かなカフェが軒を連ねるエリアでもあります。
歩いていると本当にカフェの多さに驚くはず。なぜこんなにもカフェが集まったのか?その理由は、また後ほど。
というわけで実際に現地を歩くことをライフワークとしている私が、いま注目のおすすめスポットをご紹介します!
蔵前街歩きデート、実際に歩いてみた
☕こだわりの味を楽しむカフェ巡り
まずは街歩きのスタートに、こだわりのドリンクで一息ついてはいかがでしょう!
COBACHI CHAI
蔵前駅から歩いてすぐの場所にある、チャイ専門店。
アパレルブランドが手掛けるコンセプトショップに併設されていて、石や金属を彷彿とさせるミニマルで洗練された空間が印象的です。
メニューは、「Cotton」「Linen」「Wool」「Silk」と洋服の天然繊維のネーミングの4種類。
カルダモンやシナモン、クローブなどスパイスの組み合わせによって香りや味わいが異なって、軽やかで飲みやすいタイプから、スパイシーで重厚な一杯まで揃っています。
注文前に香りを確かめられるので、好みの一杯を選ぶ楽しさもあります!
スパイスの香りが漂う中で、BGMはノルウェーのアンビエントなどガッツリと浴びる系。脳に心地よい栄養が行き渡って、「今日はどこ回ろうか?」なんて相談するのにぴったりの場所でした。
伝統的な街並みが残る蔵前で、こうしたモダンで洗練されたカフェ時間を楽しめるのは、とても良き体験です◎
大阪の中崎町にある洋菓子店「Douceur(ドゥサール)」とのコラボレーションによる「スコーン プレーン」もたまらん
蕪木
蔵前駅から徒歩7分ほど、鳥越神社の近くにひっそりと佇むコーヒーとチョコレートの隠れ家カフェ。
外観は民家のように素朴で、階段を上がると豆電球が柔らかく灯る静かな空間が迎えてくれます。
ネルドリップで丁寧に淹れた深煎りコーヒーと、カカオ豆から手作りするビーントゥバー・チョコレートのペアリングが名物。
濃厚な香りと味わいを、静謐な雰囲気の中でじっくり楽しむことができます。
控えめに流れるクラシックピアノが、その空間をより一層特別なものにしていました。
ここのホットチョコレート、本当に美味しかった!
大人の隠れ家のような雰囲気は、デートで訪れると特におすすめ。
賑やかな街歩きから少し離れて、二人だけの落ち着いた時間を過ごしたいときに、最高の一軒です。
🌿 センスあふれる雑貨をチェック
蔵前は、デザインや手仕事に興味がある人には宝の山のようなエリア。
Syuro
台東区で生まれ育ったオーナーが手掛ける日用雑貨店。
デザイン会社直営ならではの秀逸な発想と、職人の技が光る手仕事によって生み出された、現代の暮らしに溶け込むアイテムが並びます。
町工場を改装した空間では、生活を豊かにするインテリアを中心に、時には文化的なイベントも開催されています。
定番アイテムは、オリジナルのブレンドアロマシリーズ「Vann Vesi Vand」。頭のネジが緩むくらいにいい香りでびっくりしました。
心落ち着く、本当に良い香りです
CAMERA
オリジナルレザーグッズのブランド『numeri』を取り扱うカフェ。
numeriの特徴は、国産の天然皮革を使った手作りにこだわっている点。全て東京下町の工房で、一つひとつ職人が丁寧に仕上げています。
ディテールがしっかりしているのはもちろん、使い込むほどに馴染みが深まる質感が魅力。バッグや革小物などハンドメイドにこだわった商品は一点ものです。
買えばよかったって家に帰ってから後悔しました!
📜 ロマンチックなひととき
デートの記念に、ちょっと特別な体験も取り入れてみませんか?
封灯 FUTO | 詩的喫茶
なんと1年後の自分に手紙を送ることができるカフェ!
大切な人と一緒に未来へ向けたメッセージを綴る時間は、きっと忘れられない思い出になりそう。
路地裏にぽっと灯る街明かりがお店の目印。まるで昭和にタイムスリップしたかのような、レトロでいい雰囲気です。
来店時間のおすすめはオープンしたての10時だそうです。
事前予約も可能、確実に席を押さえておきたい人には◎
詩人であるオーナーさんの「ことば」がピックアップされていますが、実は内装に音楽グッズがたくさん。
生ピアノ、ギター、真空管、レコード、椎名林檎の歌詞解釈、そしてBGMはMarshallのアンプからオルタナティブロックが流れています。(歓喜)
鳥越神社
歴史ある神社で、二人の穏やかな未来をお願い。静かで落ち着いた時間が過ごせます。
鳥越神社のSNSフォローしてる
🏮 雰囲気たっぷりのお店
蔵前の魅力は、それぞれのお店が持つ独特な雰囲気にもあります。
バーガー喫茶「チルトコ」
アメリカンダイナーの陽気さと昭和レトロの懐かしさが融合した空間で、こだわりのハンバーガーを味わえます。
これが見た目も味も満足度高めで本当に美味しい一品です!パティのお肉はジューシーですが、ソースがサッパリしているからか、重たすぎません。
地元の常連さんが「ちょっとポテト揚げてよ〜」なんて気さくに話している様子も、
この街ならではの温かさを感じさせます。
BGMはビージーズにブージーズにサタデー・ナイト・フィーバー!壁面にはレコード。
Victor製の「Liquid Stereo」というレトロで個性的なレコードプレイヤーの内装にも、音楽好きは目がいってしまうかも。
アメリカの文化のハンバーガーと、日本の文化の喫茶店との融合を目指した『バーガー喫茶』様式で、カフェではなく喫茶なんだそう
葉もれ日
フロアに赤いスピーカーがあって、これまた音楽好きには気になるポイントでした
昭和初期の酒屋をリノベーションした古民家カフェ。自家焙煎珈琲やチャイが楽しめました。
店名の「葉もれ日」は、日本家屋で見かける欄間から差し込む日差しを、樹木の葉の間から漏れ出る日光になぞらえたものだそうです。
いわゆる民家園のような建物とは一線を画すレトロモダンな雰囲気がカフェ巡り好きにはたまらない♪
珍しいのが、カフェスペースが土間にあるということ
菓子屋シノノメ
レトロでアンティークな内装が写真映えする焼き菓子屋さん。「甘すぎない」焼き菓子をコンセプトに、毎日食べれるよう、安心で自然な素材を使っているそうです。
前を通りかかったら足を止めざるをえないほど素敵な雰囲気のお店。
シノノメでクッキーを買って家で食べたのですが、ザクザク食感で香ばしく、美味しくて腰が抜けそうでした。
🌙 夜カフェで締めくくる
一日の終わりは、落ち着いたカフェバーでゆっくりするのもいいですね。
Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE
デートの締めくくりは「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」で。
創業300年弱という老舗玩具メーカーの倉庫ビルを改装したホステルのバーラウンジスペースで、旅人と地元の人々が集う、開放的な雰囲気です。
宿泊者だけでなく誰でも立ち寄れる場所で、心地よいDJプレイやライブイベントが開催されることもあって、音楽を通じた新しい出会いがありそうな予感。
24:30までと遅くまで営業しているので、ゆっくり過ごせるのも嬉しいところ。なんか、居心地いいんですよね。
旅の話を聞いたり、蔵前の魅力について語ったり、何度でも通いたくなる、そんな場所でした。
隅田川沿いにあって、打ち合わせにも使えるちょうどよさ
ARC
ムード溢れる音楽とコーヒーを朝から晩まで楽しめる大人のための隠れ家のようなカフェバー。
優しい光が灯る店内には、チルい音楽がBGMに流れています。
店内のアンプやスピーカーは、オーナーの手作り。
UK JAZZのレコードも並ぶこだわり空間に、音楽好きは脊髄反射してしまうかも!
ワインやオリジナルクラフトビールなどのお酒も充実していて、
26時まで営業しているのもありがたいポイント。
実際わたしはお酒を飲まないから、夜中にコーヒーだけ飲めるってほんと助かる🫶
深夜の一杯が、ちょっとしたご褒美みたいで好き。
実際に歩いてみて分かった蔵前デートのポイント
街との距離がぐっと近くなるような、ささやかな気づきたちをシェアしますね。
- 👟歩きやすい靴は必須!
気づけばけっこう歩いている蔵前。足元はぜひ快適に。
- 🕒 時間にゆとりを
気になるお店が多すぎるので、ふらっと立ち寄れる余白を残しておくのがおすすめ。
(もちろん、サクッと回るのもアリです。)
- 🗣️ 下町の人との交流もぜひ
何気ない会話が、蔵前らしさを感じるきっかけに。人との出会いも、旅の一部として楽しんでみてください。
というのも——蔵前が“コーヒータウン”と呼ばれるようになった背景には、そんな人と街の関係性が深く関わっているんです。
蔵前が”コーヒータウン”になった理由
蔵前は近年「コーヒータウン」と呼ばれるほど、個性豊かなカフェが続々とオープンしています。
これほど多くのカフェが集まった背景には、蔵前の街の特性があります。
元々、玩具や祭り用品を扱う問屋街として栄えていた蔵前には、ものづくりに携わる職人が多く住んでいました。
その職人たちの「もの」への理解と、下町ならではの人情が、新しいカフェ文化を受け入れる土壌となったと考えられます。
2009年にキッチンカーからスタートし、2013年に路地裏に小さなスタンドを構えた『SOL’S COFFEE ROASTERY』は、スペシャルティコーヒー文化の草分け的存在。
2016年には『LEAVES COFFEE ROASTERS』がオープンし、その他にも『コフィノワ』や『蕪木』といった名店が次々と誕生しています。
現在でこそ外国人観光客で賑わう蔵前ですが、多くのカフェオーナーが「インバウンド需要は想定していなかった」と語るのは興味深い点です。
この街には焙煎機を設置できる広い空き物件があって、多少の煙が出ても「ものづくり」として理解される文化があります。
そして何より、ここに暮らす人々の寛容な気持ちが、蔵前を「コーヒータウン」”へと育て上げました。
新しい店が生まれながらも、街の歴史に自然と溶け込んでいく。
そうした下町ならではの温かさ、そして各店舗がこだわり抜いた空間演出や選曲が、これからも蔵前の魅力を支えていくのでしょう。
蔵前での一日を振り返って
蔵前を一日かけて歩いてみて、想像していた以上に発見が多い街だなと感じました。
手作りのアンプが置かれたカフェバーから、スパイスの香りに包まれたミニマル空間まで、それぞれ違った文化体験を楽しめるのもこの街ならでは。
そんなふうに過ごしていると、時間がゆっくり流れているような感覚になります。
今回ご紹介したお店は、どこも空間の雰囲気やBGMのセンスが抜群で、カルチャー好きのカップルにはきっと気に入ってもらえるはず。
昔の面影と今の感性が、静かに混ざり合う街。
また今度、違う季節に訪れてみたいな、そんな風に思える街でした。
スピーカーとワイ(=私)冬
封灯 FUTOで未来へのメッセージを書く夫 夏
□ ライター 前田 紗希 □■□■□■□■□■
※本記事は、2024年冬から2025年夏シーズンに私自身が体験した内容をもとに記載しています。あくまで一個人の記録として、参考程度にご覧ください。
なお、政治的な話題とは一切関係ありません。
みなさまにとって、良い旅となりますように。
Have a nice trip♪
【studio iota label】
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