IOTA-LOG

おとと、たびと、しごと

こんにちは、studio iota label の前田サキです。

夕暮れから夜にかけての東京の歴史ある水辺を辿る「夜を歩く」シリーズ。

今宵は、下町っぽさが残る門前仲町からスタートして、

佃島を通って、

2025年9月に新しく開放された晴海橋梁(旧・晴海鉄道橋)まで。

 

音楽や物語にまつわる風景をたどる

ミュージック・ツーリズム

とも絡めながら、のんびり歩いてみました。

散歩や夜景が好きな方には、かなりおすすめのルートです!

 

 

江戸時代から始まった埋め立てで生まれたエリア

さてさて実は、現在の東京都心部、特に中央区や江東区の大部分は、

江戸時代初期まで海や湿地が広がっていました。

たとえば現在の「丸ビル」「丸の内仲通り」「日比谷ミッドタウン」辺りは、全てでした。

 

徳川家康が江戸に入府して以降、東京ドーム7個分もの大規模な埋め立てが行われ、

同時に幾つもの水路、運河、掘りが造られます。

現在も東京各地に小さな川が流れているのは、この時の名残り。

国土地理院地理地殻活動研究センター

 

今回歩くコースも、江戸時代からの都市計画の産物なんです。

 

さぁ、出発!東京水辺の夜散歩へ

このように東京の下町は、江戸時代は近郊農村、漁村、水郷地帯であり、

明治・大正以降に工場地帯化し、

近年では工場や倉庫の跡地にマンションができるという、

なかなかダイナミックな歴史を辿ってきました

歴史ある水辺を散歩しながら、現在の街の風景を記していこうと思います。

 

それでは、門前仲町駅からスタートです!

隅田川水辺テラスのみどころマップ

 

門前仲町→永代橋、深川散策エリア

①門前仲町駅

夕方の4時半過ぎ、門前仲町駅を出発。

どこか懐かしく、活気ある門前町らしい雰囲気に包まれます。

 

②ほんとうにおいしいコーヒー

駅から5分くらいのところにある小さなコーヒー店。店名がストレート過ぎて気になって入ってしまいました。

ミルクコーヒーがこれまで飲んだ中でいちばん美味しい!

この土地の風景によく合う味でした。テイクアウトして隅田川を散歩しながら飲むのがおすすめです。

 

③御船橋

大島川西支川に架かる橋。小さな橋だけれど、ここから見るスカイツリーがレトロで味わい深い。

下町風情溢れる町屋もチラホラと残る一帯。

 

④永代橋

今回の散歩で最初のハイライト!

中央区新川江東区佐賀を結ぶこの橋は、鋼アーチの優しい曲線が特徴。

 

夜間のライトアップは近年LED化されて、さらに輝きが増したそうです。

 

隅田川テラス、橋梁マニアの聖地エリア

隅田川と聞くと川沿いの風景に注目しがちですが、数々の個性的なもまた隅田川の風景を織りなす重要な要素。

ちょっと注目してみてください。

 

⑤隅田川テラス/永代公園

隅田川沿いの遊歩道「隅田川テラス」is橋梁マニアの聖地。

桜、花火、紅葉、スカイツリーのイルミネーションと四季折々の見どころがありますが、何と言っても隅田川に架かる橋そのものが見どころ。

水面に映る空と橋梁を眺めていると、時間がゆっくりと流れていきます♡

 

⑥中央大橋

タワーマンションの原型となった大川端リバーシティ21のたもとに架かる橋。

隅田川で二番目に新しく、白くてモダンなデザインはフランスの会社によるもの。漫画「3月のライオン」にも幾度も登場する美しい風景です。

 

物語の登場人物が見ていたであろう景色を、歩いてみる。

作品の世界にちょっとずつ入り込んでいく感じが、なんだか心地いいんですよね🌙

作者の先生もこの場所からインスピレーション受たのかなと思うと、ちょっと嬉しくなりました。

 

⑦大島川水門テラス連絡橋

2020年完成の比較的新しい橋。永代エリアと越中島を結んでいます。

ここから見る永代橋のライトアップと、リバーシティ21の高層マンション群の組み合わせが絶景。

 

⑧越中島公園/東京水辺ライン越中島発着場

ドラマやCMでよく使われるロケ地。

水上バスの発着場があるので、隅田川を行き交う観光船や屋形船を眺められます。

川向こうの高層マンション東京タワー中央大橋も見えて、かなり贅沢なロケーション🎶

 

⑨相生橋

江東区越中島中央区佃を結ぶ橋。

この一帯が江戸時代から長い時間をかけて埋め立てで発展していく中で、深川と月島の間に最初に架けられたのがこの橋でした。交通の要所だったということですね。

橋下には「中の島公園」という小さな島のような公園が浮かんでいます(現在は工事中で入れません🙈)。

 

 ちなみに、星野源さんのシングル曲「知らない」のPVでは相生橋付近で撮影が行われたそうです🕺

 

ここMVと同じ画角じゃん!ってなって、ちょっとテンション上がりました。

楽曲や歌詞によって「意味づけされた場所」を訪れると、実際の場所がストーリーとリンクして、なんとも言えないうれしさがありますよね!

映像の中で見ていた場所に、自分がほんとに立っている。

これぞ聖地巡礼が持つ「共感」と「追体験」の心理なのかも知れません。

 

橋からは帆船「明治丸」と豊洲水門方面も見えます。

 

水も緑も豊富な月島・佃エリアへ突入!

佃・月島・勝どき・豊海町・晴海エリアは、江戸時代から明治、大正、昭和にかけて埋め立てられ、隅田川と運河に囲まれた人工の島々です。

とくに今回歩いた佃島エリアは関東大震災や太平洋戦争の被害を受けていない超ラッキーエリア!

路地を歩いていると「昭和にタイムスリップした?」って錯覚するほど、下町の風情が残っていました。

その一方で、再開発が急速に進み、超高層マンションが建ち並ぶ未来都市、ウォーターフロント・ゾーンとして注目されています。

このコントラストが面白い。

 

⑩石川島公園

スーパー堤防の上部を利用して、整備された公園。

かつて江戸時代の石川島があったところで、現在は都会のオアシスのような場所になっています。

パリ広場からの眺めは、永代橋や東京スカイツリーの明かりが水面に映り込んで、とても幻想的。

 

江戸時代初期から明治にかけて、石川島と佃島はも別々の島でしたが、その後の埋め立てで一体になりました。

 

⑪佃小橋

佃島といえばここ。

川沿いの下町の風景と、未来都市として開発された「リバーシティ21」の超高層マンション群が一つの画面に収まる、SNS映え間違いなしのスポット📸

 

橋の下の川底には、3年に1度行われる住吉神社の例大祭に用いる大幟(おおのぼり)の柱や抱木(だき)が保存のため埋設されているそう。佃住吉講による案内板も設置されています。

このエピソードはこち亀好きなら見覚えがあるはず。

こち亀、ほぼ全巻持ってた。

 

佃島の路地探検

江戸時代からの町割が残る佃島。幅1メートルもない細い路地があります。

探検気分で路地を進むと、奥に佃天台地蔵尊が。まるで御堂とイチョウの木が一体化したような状態です。

現代の東京でこんな風景に出会えるなんて、関東大震災や戦災を免れた場所ならでは。奇跡的に残った江戸・大正の記憶を感じられます!

歩いてるだけで楽しい。

 

⑫佃 麗江/日の出湯

 

歩き疲れたので、この辺りで夕食にします!

3月のライオンの作中の銭湯「月の湯」のモデル、「日の出湯」がある建物の1階にある麗江は、とても美味しい町中華です(本当に美味しいけど夜は割高)。

マンションの1階に♨️あり住人の方は無料で入浴できるとのこと、良いですね

 

⑬佃公園の夜景

 

 リバーシティ21開発による、スーパー堤防上部を利用した公園。ここは江戸時代、「鬼平」長谷川平蔵が発案した石川島人足寄場があった場所。軽犯罪者や無宿の人に仕事を教えて自立を促す施設でした。

歴史を知って夜景を眺めると、また違った感慨が湧いてきます🗺️

テラスは静かで雰囲気が良く、夜景デートにもおすすめです。

 

眠っていた廃線が、36年ぶりに開通・晴海橋梁!

⑭晴海橋梁(旧晴海鉄道橋) – 今回の目玉!

 

そしてこの散歩のハイライトがここ!

2025年9月19日から開放されたばかりの晴海橋梁!

都心に眠っていた廃線が、生まれ変わりました🌟

 

1957年(昭和32年)に完成し、1989年(平成元年)に廃止となった鉄道橋が、36年の眠りから覚めて歩行者のための遊歩道として復活したのです。

完成当時の色彩に復元されて、夜はライトアップも。

当時のレールはそのままに、歩きやすいようにウッドデッキが整備されていて、歩いていると本当に線路の上を歩いているような不思議な感覚。

 

橋の上から見下ろす水上バス、遠くに見える東京スカイツリー、そして足元に残るレール。

歴史好きにも、夜景好きにも、東京の水辺散歩の新しいハイライトになりそう!

 

⑮月島駅へ

晴海橋梁を渡り終えて、月島駅へ向かいます。

もんじゃ焼きで有名な月島も、実は埋め立てによって生まれた島です。この一帯すべてが人工的に作られた土地だということを改めて実感しながら、今夜の散歩を締めくくります。

8番出口っぽい

 

まとめ 約90分の散歩コース

 

門前仲町から佃島を巡り、生まれ変わったばかりの晴海橋梁を渡って月島駅まで。

この散歩コースは、江戸時代の埋め立てから始まり、明治・大正の工業化、昭和の戦災復興、そして令和の都市再生まで、東京の歴史がぎゅっと詰まっています!

隅田川水辺テラスのみどころマップ

 

特に佃島の奇跡的な生き残りと、廃線跡の橋が遊歩道として復活した晴海橋梁は、過去と現在が手を取り合うような美しいコントラストを見せてくれました!いぇーい。

水辺を歩く贅沢は、こうした歴史の層と現代の音楽やストーリーが織りなす物語を肌で感じられることかもしれません。

 

光る水面、静かな運河、そして夜景が瞬く遊歩道。

東京の夜散歩は、まだまだ新しい発見に満ちていそうです!

 

🔽 豊洲が変わる10年のまちづくり

東京23区に「無人駅」があるって知ってた?豊洲の市場前駅が観光地化してた件

 

□ ライター 前田 紗希 □■□■□■□■□■

※本記事は、2024年冬〜2025年夏シーズンに私自身が体験した内容をもとに記載しています。あくまで一個人の記録として、参考程度にご覧ください。

なお、政治的な話題とは一切関係ありません。

みなさまにとって、良い旅となりますように。

Have a nice trip♪

 

【studio iota label】

【LoFi Hiphop BGM】流れるイオタ『黄昏を駆け抜ける』 – Driving through the twilight

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