【流通センター駅】巨大倉庫の風景!陸・海・空を結ぶ、巨大ハブの「機能美」に酔う
倉庫街への変化、流通センター駅
大井競馬場前の光と水を背に、モノレールは再び表情を変える。
穏やかだった水辺の風景は途切れ、車窓に広がるのは、
整然と並ぶコンクリートの巨大な建造物群。
無機質、という言葉だけでは片付けられない、独特の機能美を湛えた風景だ。
そして、次の駅「流通センター駅」に停車した。
ここは、TOKYOという巨大な生命体の活動を支える、
いわば「静脈」とも呼ぶべき、独特の雰囲気を持っている。
見えないところで、都市は動いている
駅名が示す通り、この一帯は日本の物流における心臓部の一つ。
日本最大級の物流施設「東京流通センター(TRC)」や、
国内最大の公共トラックターミナルがこの地に根を張り、巨大な倉庫群が林立している。
だが、その真価はロケーションにある。
都市の動脈たる首都高速羽田線、湾岸線、そして環状7号線に直結し、
全国への陸上輸送網の起点となっているのだ。
さらに、日本の空と海の玄関口である羽田空港と東京港を間近に控え、
陸・海・空のあらゆる輸送モードを淀みなく連携させる。
このシームレスな結びつきこそが、この場所を唯一無二のハブたらしめている理由だ。
毎日、たくさんの人や物がこの駅周辺を通過する。
私たちの生活を支える、縁の下の力持ち
流通センター駅の周辺は、
いわば私たちの生活を支える「縁の下の力持ち」のような存在だ。
ひっきりなしに行き交うトラック、機敏に動くフォークリフト、
そしてその上を滑るように通過するモノレール。
一つひとつの動きが緻密に組み合わさり、
私たちの生活を支える巨大なシステムを形成している。
日々スーパーマーケットで手に取る食品も、
クリック一つで翌日に届く荷物も、
その多くがこの街を通過しているのかもしれない。
そう考えると、この風景は単なる「通過点」ではなく、
私たちの豊かな日常を支える、「出発点」なのだと気づかされる。
豊かな生活のスタート地点
流通センター駅周辺は、華やかさはないかもしれない。
しかし、私たちが日常で手にするあらゆるモノが、
この緻密なネットワークを通り、それぞれの目的地へと旅立っていく。
私たちが当たり前のように享受している豊かさは、
こうした「見えない場所」の、絶え間ない営みによって成り立っている。
そう思うと、この無機質な風景の中にも、確かな躍動、都市のグルーヴが感じられる。
アルバム、都市の旋律
この駅のために書かれた楽曲「流通センターを抜けて」は、
倉庫街をすり抜けるモノレールのスピード感、
そして物流の現場に流れるリズムを音で描いた。人目には触れにくいけれど、確かにそこにある無数の営み。
流れる時間、動き続ける風景。
それらがつくる都市の“機能美”を、音楽というかたちで切り取った。
私たち“流れるイオタ”(前田紗希×矢野聖始)は、東京モノレール各駅の景色や空気を音に変えて、
ミュージック・ツーリズムアルバム『都市の旋律』をつくった。
「街を歩くように、音を聴く」──そんな旅の入口に、この曲がなってくれたら嬉しい。
⇩アルバム『都市の旋律』 トラックリスト⇩
01 浜松町、動き出す街の鼓動
02 天王洲アイルの静寂
03 大井競馬場デイライト
04 流通センターを抜けて
05 昭和島ノスタルジー
06 整備場パッシングバイ (feat. Rica)
07 天空橋アクロス
08 第3ターミナル、ニューヨークへ
09 新整備場ライト&ダーク
10 第1ターミナルの雨音 (feat. 松崎 和訓)
11 羽田空港第2ターミナル – 旅の終わりと始まり (feat. 小畑 仁)
Spotifyなどでぜひチェックしてほしい。
▶︎配信リンク: https://lnk.to/9tAPyv1m
Spotify(クリックすると音楽が流れます)
東京モノレールの車窓から見えるのは、都市の表情そのもの。
「流通センターを抜けて」を聴きながら、
次回どんな景色と音が待っているのか、お楽しみに。
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