TRIPIO

旅と音楽を繋ぐ情報メディア

こんにちは!スタジオイオタ代表の前田です。

このたび、studio iota LLC.とご縁のある仲間たちを紹介するインタビューマガジンをはじめました。

どんな背景を持ち、どんな想いでイオタと関わり、どんなチャレンジに取り組んでいるのか――

それぞれの歩みを通して、イオタとつながる人たちの魅力が見えてきます。

第一弾は、街と音楽をテーマにしたアルバム『都市の旋律』のリリースを記念したインタビューです。


東京街歩きの達人とは

創業当初から「イオタビ」に関わり続けてくれているライター、オキツ カズヒロさん。

東京の街歩きを軸に、緻密なデータ分析からディープなオタクカルチャーまでを自在に切り取る視点は、他のライターでは、なかなか見られないものです。

そんなオキツさんが、流れるイオタの「都市の旋律(音楽アルバム)」では“コラボレーター”として、企画段階から参加。

東京モノレールの全駅に対応したコラムの執筆も担当してくれました。

このコラボレーションの背景には、弊社 studio iota LLC. の音楽づくりへの姿勢があります。

 

studio iota LLC.とは?

音楽を届ける、プロデュースの現場

レコード会社」と聞くと、
クルクル回るレコード盤を思い浮かべる方もいるかもしれません。

実際は録音(Record)という意味で、
音楽を生み出し、届けるまでの全工程
──資金調達・企画・制作・販売・広報などを一貫して行う、
音楽を市場に送り出すための架け橋となる存在です。

 

「歌のない音楽」を日常に──オウンドメディアとしての挑戦

私たちのビジョンは
歌のない音楽の魅力を広げ、日常の中でより身近に楽しめるように
というもの。

その一環として立ち上げたのが、オウンドメディア「イオタビ」です。

30人以上のライターが、世界一周、車中泊、B級スポット、フェスなど、
音楽と共に楽しめる場所を発信しています。

 

「音楽と街歩き」二つのテーマ

今回ご登場いただいたオキツ カズヒロさんは、「東京街歩き」というテーマで数々の記事を手がけてきました。

『音楽』と『街歩き』がどのように繋がるのか──最初はピンと来なかったというオキツさん。
しかし記事を書き続ける中で、「前田(代表)の音楽」と「自分の東京論」には、どちらも“知ってほしい”という強い想いがあり、そこに共鳴があると感じるようになったといいます。

オキツさんの人柄や、音楽と街歩きを繋ぐ創作の裏側をお伝えしたいと思いまして、インタビューしてまいりました。
ぜひぜひ、ご一読頂けたら幸いです。

 

街が好き、だけど語るのが得意なわけじゃない

Q. 編集長:記事を書く上で、気をつけていることはありますか?

A. オキツ:
自分の主張を押し付けすぎないようにしています。読者は、「僕がこうなんだ!」っていう自己主張よりも、事実を知りたいと思っているはずです。
だから、事実を丁寧に伝えつつ、自分の体験をさりげなく添えるようにしています。創業当初から、そのバランスを意識してきました。
今回、こうしてインタビューというかたちで自分のことを話せるのは、実はすごく嬉しいです!

Q. 編集長:そもそも、なぜ街歩きの記事を書くことになったんですか?

A. オキツ:
東京の魅力を、もっと多くの人に知ってほしいと思っていたんです。でも、自分で発信する機会や場所がなくて…。そんな時に、声をかけてもらって、「これは面白いかも」と思ったんです。実は、自分から何かを発信するのは苦手だったんですけどね。

 

自分から発信するのは苦手。でも…

Q. 編集長:意外ですね。

A. オキツ:
本当に、そういう機会がなかったんです。でも、周りの人に助けられて、自分に何ができるのかを考えた時に、やっぱり街が好きだなって思ったんです。

東京には、色々な人がいて、色々な街の表情があります。それを伝えていくことで、まだ知られていない東京の魅力を発見できるんじゃないかと思ったんです。

 

きっかけは「気づけば、地図を見ていた」

Q. 編集長:東京は、本当に色々な街がありますよね。観光しようと思ったら、大変なくらい。

A. オキツ:
そうですね。最初は、「みんなが知らないことを、俺は知ってるぞ」みたいな気持ちもありました(笑)。
昔から地図が好きで、小学校の頃は、一人っ子で親も働いていたので、よく家の周りの地図を眺めていたんです。「この道を通れば、あいつの家に行くのが早いんだ」とか、そんなことを考えていました。それが、街歩きの原点かもしれません。

Q. 編集長:経路とかを調べていたんですか?

A. オキツ:
そうです。地図を見るだけでなく、実際に歩いてみようと思うようになったんです。中学生になると、下北沢に憧れて、どうやって行けばいいのかを調べたりしました。地図を見る範囲も、家の周りから路線図、そして東京全体へと広がっていきました。

 

「昨日と今日がちがう」──日常の中の発見が面白い

Q. 編集長:実際に、色々な街を歩いてみてどうでしたか?

A. オキツ:
最初は地図を見ていましたが、途中から地図を見ないで歩くようになりました。中学1、2年の頃、自転車で多摩川に行った時です。本当は二子玉川に行きたかったんですが、地図を見ないで遠くに行くのは不安だったので、結局、蒲田の先の六郷土手に妥協しました。
でも、その時に、自転車で色々な街を通るうちに、街の表情がどんどん変わっていくことに気づいたんです。さっきまで問屋街だったのに、住宅街になったり、商業地になったり。
電車に乗っていたら気づかなかったことに、たくさん気づきました。それが、街歩きの面白さだと感じました。

 

Q. 編集長:東京は、ガイドブックに載っている姿とは違って、普通の住宅街が多いですよね。

A. オキツ:
ええ。住宅街の中に、美味しそうなパン屋さんを見つけたり…。自転車だからこそ、色々な場所に行けて、ワクワクしました。そこから、どんどん東京の街が好きになっていったんです。

 

東京・下北沢で見つけた「変化の面白さ」

Q. 編集長:街歩きを始めたきっかけは、下北沢のカフェだったということですが、下北沢は再開発で随分変わりましたね。

A. オキツ:
変わる良さもありますが、寂しい気持ちも大きいです。街歩きを始めた原点の街なので、当時のイメージが強く残っています。でも、今の下北沢にも良さはあります。街の変化を、記事のテーマにすることもあります。

Q. 編集長:街の変化といえば、古地図の話が出てきましたね。

A. オキツ:
両親も地図が好きだったので、家に古地図が転がっていたんです。だから、古地図は身近な存在でした。今の街並みを知ることで、「昔はどうだったんだろう?」と興味が湧き、古地図を読み解くようになりました。
そこから、街には色々な見方があることに気づいたんです。

 

足元に眠る、ガイドブックにない発見

Q. 編集長:東京の魅力を発信するとなると、ガイドブックのようになってしまいがちですが、街にとって隠したい部分などに目をつけたのはなぜですか?

A. オキツ:
原宿のキャットストリートの記事を書いた時、あそこがおしゃれな街になったのは、川が暗渠(あんきょ)になったからだと気づいたんです。蓋をされたり地下に埋められたりして、一見マイナスのイメージがある暗渠も、街の魅力として再生されている。そういう視点で街を見ると、歴史や文化など、より深く楽しめるようになると思いました。

Q. 編集長:東京は、変わっていく街だから面白いですよね。

A. オキツ:
そうですね。変わらないことが良いとされる街もあるかもしれません。
でも、東京は、色々な人がいて、色々な文化が混ざり合っているからこそ、変化していくんだと思います。

 

まち歩きへの入り口、音楽との普遍的な関係

Q. 編集長:オキツさんの記事は、アクセス率が高いですよね。

A. オキツ:
ありがとうございます。みんな、自分の住んでいる街のことを、もっと知りたいと思っているのかもしれません。だから、記事を書く時は、過去、現在、未来の時間軸を意識したり、今後の都市計画などを盛り込むようにしています。

 

東京は、水に出会える街だと思うんです

Q. 編集長:街の記事の中で、水辺の話が多いのはなぜですか?

A. オキツ:
幼い頃に見た多摩川の夕日が、あまりにも綺麗だったんです。水辺にいると、心が安らぎます。だから、個人的に水辺が好きなんです。東京は、川も海も運河もあって、水に触れる機会が多い街です。
だから、水辺に関する記事が多くなってしまうのかもしれません。

Q. 編集長:水辺が癒やしの場所になっている時、音楽は必要ですか?

A. オキツ:
音楽は必要ですね。水辺で一人でいると、癒やされる反面、寂しくなることもあります。特に夕暮れ時は、孤独を感じます。でも、音楽があれば、寂しさを紛らわすことができます。

 

「おもしろい」は誰かの「日常」──伝えたい視点

Q. 編集長:イオタビに立ち上げから関わってもらっていますが、面白いと思う瞬間はどんな時ですか?

A. オキツ:
アニメとのコラボ記事や、民族楽器店の記事が、多くの人に見てもらえた時ですね。自分にとっては普通のことが、多くの人にとって面白いことだと知った時は、驚きました。

Q. 編集長:今後、レコード会社内でどんな役割を担っていきたいですか?

A. オキツ:
インストの音楽は、とっつきにくいイメージがあるかもしれません。だから、街を入り口にして、インストの音楽を知ってもらうきっかけを作りたいです。そして、音楽と街の魅力を掛け合わせることで、より多くの人に、その魅力を伝えていきたいです。

取材後記
今回のインタビューは、蔵前エリアにある Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEにて行いました。
浅草・蔵前観光の拠点としても立ち寄りやすいスポットです◎

 

最後に、東京街歩きの達人として活動していくうえで、影響を受けた作品や、おすすめの音楽などをお伺いしました。
☆ 影響を受けた本

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』
同じ道を歩く描写も、登場人物が変われば違った景色になる描写が秀逸。
これこそ街歩きの醍醐味。10人いれば10通りの街の見え方、角度がある。だから、『街』って面白い。そう思わせてくれる1冊。

☆おすすめの動画

東京都心300ヶ所を45分間飛び続ける
とにかく見てほしい。様々な東京の一面を見る事のできる教科書的な神動画。
街、道路、地形や建物。映像全てから東京を感じて欲しい。
目指せ、トーキョーマスター。
これで君もトーキョー、ゲットだぜ!

☆おすすめのCD

deepsea drive machine『Wayless』
アルバム全体を通して、東京の『疾走感』を強く感じられる1枚。ワクワクが、止まらない。
東京の夜ドライブのお供に必聴の1枚。

 

イオタのコラボレーション作品「都市の旋律」、街と音楽の融合

そんなオキツさんとイオタのコラボレーション作品「都市の旋律」が、リリースされました!!!

⭐︎活動の様子は下記をチェックしてみてくださいね!


アルバム、都市の旋律

わたくしの愛する東京の街歩きについて語りましたが、東京発の現代ポスト・インストバンド、前田紗希と矢野聖始による“流れるイオタ”が、5作目のフルアルバム「都市の旋律」を2024年10月23月にリリースします🕊

このアルバムは、東京モノレールの全駅を舞台に、それぞれの街の風景や雰囲気を音楽で表現した

ユニークなミュージック・ツーリズム作品になっています。

流れるイオタは、歌のない音楽を日常に広めたいという思いから、このアルバムを制作しました。(今作はゲストが歌っています!) 歌のない音楽というジャンルを知らない人でも、街歩きと合わせて楽しんでもらいたいという願いが込められています。

⇩トラックリスト⇩
01 浜松町、動き出す街の鼓動
02 天王洲アイルの静寂
03 大井競馬場デイライト
04 流通センターを抜けて
05 昭和島ノスタルジー
06 整備場パッシングバイ (feat. Rica)
07 天空橋アクロス
08 第3ターミナル、ニューヨークへ
09 新整備場ライト&ダーク
10 第1ターミナルの雨音 (feat. 松崎 和訓)
11 羽田空港第2ターミナル – 旅の終わりと始まり (feat. 小畑 仁)

皆さん、ぜひ「都市の旋律」をチェックしてみてください!

▶︎配信リンク: https://lnk.to/9tAPyv1m

Spotify(クリックすると音楽が流れます)

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