学校で吹いたあの鍵盤ハーモニカ!ピアニカとの違い・おすすめ機種をプロがやさしく解説【保存版】
スタジオイオタ(studio iota LLC.)代表の前田紗希です。
旅をしていると、面白いプレイヤーに出会う場面があります。
世界一周するために、ギターを始めたという人や、
海外にも持ち運べるようにとドラマーが考えたのが、スネアドラムで七色の音色を出すことだったり——
ミュージシャン、それぞれ趣向を凝らしているんですよね。
バスキング(路上でのパフォーマンスのこと)をする人が多い街では、思いがけない楽器との出会いがあります。
そんな旅先で見つけたひとつが、鍵盤ハーモニカでした。
ニューヨーク・マンハッタンの楽器屋のワゴンで、山積みになっていたのです。
小学校の時に誰もが一度は演奏した事ある「鍵盤ハーモニカ」、通称ケンハモ。
世代によってはピアニカというとなじみ深いかも知れません!
その鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)にも、プロの奏者が居ます!!
プロの奏者が演奏する楽器も、基本的な価格帯は、小学校で教育楽器として使われる数千円と同じもの。
SUZUKIからは超高級の木製の鍵盤ハーモニカが出ていて(定価15万円!!)、大人の市場も広げているようです。
本日は、「鍵盤ハーモニカ」という、楽器のおはなし。
studio iota label に所属して下さっている「イシタニタイジュ(鍵盤ハーモニカ)Quartette」のリーダーであり、
Wikipediaの鍵盤ハーモニカプレイヤーにも掲載されている、
プロの奏者、イシタニタイジュとともに、『鍵盤ハーモニカ』という楽器を見ていきたいと思います。

鍵盤ハーモニカとは?
鍵盤ハーモニカは1960年代うまれの楽器です。
管楽器やヴァイオリン等と比べると、まだ歴史が浅くあります。
その浅い歴史の中で「子供の楽器」というイメージが根強いのは、
もともと小学校低学年で吹くには難しいとされたハーモニカの代用品として、
教育楽器として採用された経緯があるからでしょう。
ピアニカは楽器の名前じゃない?
「ピアニカ」とは、楽器としての名前ではなく、ヤマハの商品の名前!
ですからメーカーによって同じ楽器でも、呼び方が異なっています。
| SUZUKI(鈴木楽器製作所) | メロディオン |
| YAMAHA | ピアニカ |
| HOHNER | メロディカ |
| ゼンオン | ピアニー |
| キョウリツ | メロディピアノ |
構造や使い方は、基本的には、どれもまったく同じです。
それではここから、各メーカーの楽器の特徴を見ていきましょう!
SUZUKI 鈴木楽器製作所
とにかく音がなめらか・柔らかい。
吹き方によっては木管の音色が出る。
M-37C(アルト)
落ち着いた黒いボディと、甘い音色がします。
M-37シリーズは37鍵あります。
鍵盤ハーモニカの基本って32鍵なんですけど、ちょっと多いので、幅広い音域の曲が演奏可能です。
M-37C Plus(アルト)

2015年の秋に発売されました。
M-37Cと音色は同じだと言われていますが、若干ボディ塗装の素材が異なっているので、(一部のオタクの中では)音色は違うと言われています。
S-32C(ソプラノ)

音域:f1〜c4。
アンデスもリコーダー的な音が出ますが、こちらはリード楽器なので、
笛の音色”も”出すことができる良機です。
【こんなときに】楽曲に変化をつけたいとき。優しい曲などにも合います。
B-24C(バス)

【こんなときに】
サッチモのようなJazzの「ダミ声」を表現する。
歌の伴奏のベースラインを演奏するときに。
YAMAHA ヤマハ
多くの小学生が使っている楽器というだけあり、ちょっとした呼吸で音が出ます。
教育楽器なので頑丈。
30数年ぶりにリニューアル——それだけ変わらなかったという普遍性があります。
ライブを見ている人には見覚えがあるし、分かりやすい楽器です。
P-32D

自分たちの中で一番浸透している「ピアニカ」がこれです。
『鍵盤ハーモニカ』って言っても、楽器をやってる人じゃないと解らないかもしれません。
でも「ピアニカ」ならこれ知ってる!って聞き覚えがありますよね。
見た感じからして、けっこう角張っています。音もメロディオンと比べてカタい。
ザ・リード楽器って感じがします!
レコーディングで録音しているとき、外のマイクで録ってるとかなりカチカチって音が入って、暴れる勢いがありました。
暴れたい曲で使います!
個性を持たせたい曲には最適です。
studio iota イシタニはこの楽器が好きです。
【こんなことも?】海外に行ったら、日本でいう「ピアニカ」と同じ感じで、「メロディカ」で済まされているところもあるかも知れませんね。
HOHNER ホーナー
ドイツの老舗楽器メーカーで、アコーディオン、ハーモニカが主力商品。
もともとホーナー社が鍵盤ハーモニカ的な前身になる楽器を作っていて(笛みたいなメロディカ)、
それをヒントにSUZUKIが日本でメロディオンを作りました。
ファイヤーメロディカ/エアボード

吹き口のデザイン、カラーリングが斬新でステージ栄えします!
ラスタカラーバージョンもあり、ジャマイカの音楽家オーガスタス・パブロ(現代音楽に世界で初めて鍵盤ハーモニカを取り入れた人物)の息子もそれを使っているので、
ステージ栄えするものを作ってくれているのがアツいです!
studio iotaイシタニ個人的な解釈ですが、柔らかいメロディオンと、カタいピアニカの中間のイメージ。
すごく空気抵抗が強くて楽器という感じなので、子供向きではないかな〜?と感じています。
まとめ
近年、少しずつ鍵盤ハーモニカを演奏する音楽家が増えてきています。
まだ歴史が浅い楽器なので、「これ!」と言った吹き方や基礎、縛られた音楽概念があるわけではないですし、
様々なジャンルの音楽とのセッションも可能ですし、
今なら誰もがオンリーワンの鍵盤ハーモニカ奏者になれるのではないかと考えています(インタビュー時 :2017年)。
鍵盤を押して息を吹き込めば誰でも簡単に音が鳴りますし、すこーし練習すれば、ソロからアンサンブルまで幅広く楽しめる楽器です!
学校の音楽室や、教室のロッカー、自宅の押入れの中で山積みになっているアレと何も変わりません。
それが鍵盤ハーモニカの魅力なのです。
もちろん、旅先のお供にも連れて行けますよね。
それでは、また!

Alley Cat Burger & Dogs(ノラネコバーガー) 🍔
鎌倉の美味しいハンバーガーのお店 🍔
小学4年生よりトロンボーンを始め、中学卒業後に作曲・ピアノを欠田芳憲氏、sonic solfa music methodを沢村満氏に師事。
2013年にバンドを結成し、鎌倉を拠点に活動を開始する。楽器フェア(東京ビッグサイト)、鈴木楽器製作所主催イベント、横浜ジャズプロムナード、池袋ジャズフェスティバル、すみだストリートジャズフェスティバル、日比谷音楽祭など大型イベントへの出演多数。
飲食店・ラウンジ・企業パーティー・小学校芸術鑑賞から地元の祭りまで、演奏の場は多岐にわたる。
トロンボーンで培ったブレスコントロールを鍵盤ハーモニカへと昇華させた音色の繊細さは唯一無二。
新作は30代のリアルと葛藤を、ジャズとRapの間を自在に行き来するサウンドで描く。ジャンルを問わず聴けるカジュアルな聴き心地でありながら、インストとしての完成度も高い。
2026年7月1日、studio iota labelより、鍵盤ハーモニカ奏者・イシタニタイジュQuartetteの最新シングル 『吸殻と舌打ち』 をリリースしました。
本作は、多くの人が小学校の音楽の授業で一度は手にしたことのある鍵盤ハーモニカを、プロ奏者ならではのブレスコントロールと表現力で、ジャズのメイン楽器へと昇華した一曲。
教育楽器として親しまれてきた音色を、都会の路地裏を思わせるオルタナティブ・ジャズへと昇華した作品となっています。
この記事で鍵盤ハーモニカに興味を持った方は、ぜひあわせて聴いてみてください。
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