IOTA-LOG

おとと、たびと、しごと

音楽レーベル立ち上げの実態|インストバンドの起業・ツアー・SEO戦略

見つけてくださってありがとうございます✨️

スタジオイオタ代表の前田紗希です。

 

普段はドラムを叩いたり作曲をしたりしていますが、

今回は、参加するバンド「流れるイオタ」の初のドタバタ発売記念ツアーの話をしようと思います。

 

結論から言うと、帰ってから全身蕁麻疹が出ました

 


怪しい部屋に怪しい私がひとり

 

studio iota label という名のインディーズレーベルを立ち上げたのは2014年のこと。

といっても最初はそんな大げさなものじゃなくて、

自分たちのバンドの音源を作って、大手CDショップチェーンに流通させてみよう

そのくらいの、軽い気持ちでした。

 

でも、実際にやってみると…

売れない。

まっじで売れない。

 

意気揚々とレーベルを立ち上げたのも束の間。怪しい部屋に怪しい私がひとり。

レコーディングエンジニアに100万取られ、プロモーターに依頼したプレスリリースは全く採用されず、バンドリーダーの私は唸っていた。

そうだ、発売記念ツアーをしよう。

 

インディーズ音楽レーベルの起業とSEO戦略、もっと詳しく書きました▶

インディーズ音楽レーベルの起業と運営|noteとSEOで広げたstudio iotaの挑戦|社長 前田紗希

 


 

頭数が増えればツアーは安くなる?

 

レーベルメンバーの1人がバネット(ワゴン車)を持っていた。7人まで乗れる。

これは使えるぞ。

 

ちょうどその頃、ライブに毎回来てくれる友人たちと話していたら、

こんな一言が飛び出した。

頭数が多い方が割り勘が安くなるんじゃない?

私たちもツアー参加するよ。

 

 

あれよあれよという間に、

メンバー4人+ゲストプレイヤー1人+ギャルズ2人の計7人ツアーが決まった。

行き先は京都・大阪のライブハウス数箇所。

3泊4日の旅程だ。

 


Airbnbの古民家、美しすぎて、寒すぎた

 

宿の手配は、海外に住み慣れているギャルズの1人がAirbnbで取ってくれた。

京都の一軒家。1階が男子、2階が女子。

着いて、みんなで「いえーいー!」となった。

 

民家園で見るような、美しき日本の古民家。

広い縁側、続き間、梁の見える天井。すてき♡

メンバーみんなで縁側に肩を寄せ合って座って、夜中まで喋った。あれは幸せな時間だった。

ただ、死ぬほど寒かった。

 

暖房という概念が存在しなかった。広ければ広いほど、寒い。

美しい古民家の宿命である。

 

夜中になっても眠れなくて、メンバーと抜け出してコンビニに走った。

肉まんとカイロを買って、バネットの中で温まる。

 

実はこのツアー、京都や大阪で何を食べたかはもう覚えていない。

でもあの夜中のコンビニの肉まんと、車の中の湯気と、見合わせた顔は今でも鮮明に思い出せる。

 

部屋に戻って、また震えていたら、ギャルズの1人が「一緒に寝る?」と声をかけてくれた。

うっかり惚れそうになった。

 


インストバンドの京都ツアーで、次の扉を開けた

 

ライブ本番はどうだったか。

京都のステージで、ライブハウスのマネージャーから言われた言葉がある。

jizueに似ている!対バンしてみたら?

jizue。京都出身のピアノインストバンド。当時の私たちが大好きだったバンドの名前を挙げてもらえて、正直すごく嬉しかった。

 

その言葉がきっかけになって、私たちはそれからさらにピアノインストの方向を深めていくことになった。

VJを入れて映像と音楽を組み合わせたり、ライブの見せ方を変えたり。あの一言が小さな転換点だったと思う。

 


それでも、誰かの何かに刺さるまで

帰宅して、全身に蕁麻疹が出た。

これまで貧乏バックパッカーとして世界中を旅してきたけど、まじで全身腫れた。

ツアーの制作、向いてない。

 

売れない。けど「ちゃんと聴いたら面白いのに」とか「何がいけなかったんだろう」とか考えてたって仕方ない。

(いや、経営的には考えないとなんだけれど。)

 

  • どこか一箇所でも好きになってもらえないか。
  • 全部じゃなくてもいい。
  • どこか一瞬でも引っかかってくれないか。

 

そうやって誰かの何かに刺さるまで、作り続けていくんだと思う。

 


あの頃の記憶は、恥ずかしいことばかりだ

 

あの頃を手繰り寄せると、恥ずかしい思い出ばかりが出てくる。

でも、レーベルを立ち上げてよかったことも、たくさんある。

現在は法人化して音楽家の権利を守れるようになったこと。思いついたことをどんどんやれるようになったこと。メンバーが一緒にいること。ぶつかりながら強くなれること。

 

そして一番大きいのは、演奏しているだけでは気づかなかった「小さな幸せ」に気づけるようになったことだ。

 

ツアー先のご飯が美味しい。夜中にコンビニで買った肉まんが忘れられない。ギャルズが一緒に寝ようと声をかけてくれた。

そんな当たり前のことが、実はすごく幸せなことだった。

 


あれから12年。アルバム『Plant』、リリースしました

 

2026年3月11日、流れるイオタ(前田紗希 × ヤノセイジVer)の新作アルバム『Plant』をリリースしました。

種から芽吹き、雨や日差しを受けて成長し、やがて枯れて土へと還る。

植物の一生と、その循環を音楽で描いた全10曲です。

散歩の途中や旅先で、日常の風景にそっと重ねて聴いてもらえたら嬉しいです。

▶︎ [配信リンクはこちら]

 

流れるイオタ(Nagarelu Iota)

東京を拠点に活動するポスト・インストゥルメンタル・バンド。架空の世界一周をコンセプトに、旅先で出会うような情景や空気感を音楽で表現している。

クラシックやポストロック、現代音楽を通過した、流れるようにメロウなピアノ。

そして、異なる時代やジャンルの小さな要素を丁寧に取り込んだギター。このふたつが織りなすアンサンブルが、聴く人をどこか遠くへ連れていく。

これまでに、主宰レーベル〈studio iota label〉より8作品をリリース

抒情的なメロディを軸に、生演奏とトラックを組み合わせたハイブリッドな音像は、映像的な広がりを感じさせるシネマティックなサウンドとして展開している。

 

今作のメンバー

前田紗希(Drums / Piano / Track / Composer)☜わたし

国立音楽大学作曲科卒業。のちに一般大学で心理学の学位を取得。ドラマー、作曲家として活動し、流れるイオタのほとんどの楽曲の作曲・アレンジを手がけている。

2023年には「Gwangju Busking World Cup(韓国)」「Tainan City Music Festival(台湾)」「GLUC Fest(台湾)」に出演。2025年には「Karneval der Kulturen(ドイツ)」にドラマーとして出演。

演奏活動の傍ら、旅に似合う音楽をコンセプトとしたレコード会社兼出版社『studio iota LLC.』を経営。
現在9つの事業を展開している。また音楽療法士として、音楽療法の普及にも取り組んでいる。

ヤノセイジ(Guitar)

INDIE ROCK、JAZZ、HIP HOPなどさまざまなジャンルの要素を取り入れた、チルでポップなサウンドを得意とするギタリスト。

2022年4月「JAZZ AUDITORIA ONLINE 2022」(企画制作:BLUE NOTE JAPAN)に出演。

2023年8月、チェンマイの音楽レーベル Minimal Records からシングルをリリース。同年、タイ・台湾・香港のアーティストが出演するショーケース「LABB Fest.2023」に出演。

2025年9月には、Caravan、芹澤優真(SPECIAL OTHERS)、衣川木綿 & 晃(はちいち農園)を迎えた新曲「Harvest Morning」をリリースするなど、国内外で活動の幅を広げている。

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