子どもの頃に読んでいた地図と、田園都市線で再会した。|地理系ブックカフェ「空想地図」
こんにちは、東京生まれ・東京育ち。東京街歩き人のオキツカズヒロです。
暗渠や水路を追いかけていると、つい歩きすぎる。
歩きすぎると、ついグーグルマップを眺めてしまう。
今回の東京街歩きも、そんなところから始まりました。
迷い込んだのは、地図の世界だった
田園都市線の駒沢大学駅を降りて、住宅街に少し入ったあたり。
マンションの1階に地理系ブックカフェ「空想地図」という文字を見つけた。
いや、ちょっと待ってほしい。
地理系、ブックカフェ?って何だ。
正直、好きなものしかない。
…入るしかないでしょ。

扉を開けた瞬間の衝撃を、なんて表現すればいいんだろう。
棚一面、地図と地理の本で埋め尽くされている。
地図帳、ガイドブック、地形の専門書、旅行記。日本全国から世界。普通の本屋では見かけないような地理の専門誌まで、約1000冊が並んでいる。
天国か、と思った。しかも、飲食利用中は読み放題というシステムで。
棚をぐるっと見回したら、まず目に入ってきたのがブラタモリのシリーズ。
いいのあるね!と思ったら、

隣にジャズタモリの本もある!!

地理→タモリ→ジャズって、おいおい、棚の構成、誰が考えたんですか。
センスが良すぎる。
コーヒーを頼んで、本を両手に抱え込みながら、何時間でもいられると確信してしまう。

飲み物とスイーツを頼んだけど、時間を忘れた
スイーツとコーヒーを注文。美味しい。
嬉しいのは本を読んでいる時間が料金に乗っている印象がない価格設定。
まったりしていると、気づいたら1時間経っていたけれど、
コーヒーの値段は変わらない。
地図をじっくり眺めたくて、コーヒーはお代わりをした。2杯目が安くなる設定も嬉しい。

地図を見ていた少年が東京を歩く人になった
本棚をめぐっていたら、ふと手が止まった。
子どもの頃、家にあった地図だ!
僕の東京街歩きの原点って、
子どもの頃、家にあった地図を眺めながら「この道を通れば、あいつの家に行くのが早いんだ」とか、
地図の上で、そんなことを考えていたことなんです。
路地の先、隅田川の向こう、線路の向こう。地図の上で、見慣れた街の中を旅していた。
その地図が何十年ぶりかに目の前に現れた。
思わず勝利のポーズをしてしまった。懐かしい(笑)

店主さんのエピソードが、また面白い
壁には、店主さんが中学生の頃から描いている架空都市の地図が貼られていた。静浜市という、どこにも実在しない都市。
幹線道路を中心に発展した街並み、ゆったりと枝分かれして海へ流れる川と歴史を感じさせる城跡、人口増に対応したニュータウン。
どこからどう見ても本物の地図に見えるのに、この街はどこにも存在しない。
分かる。
僕も一人っ子で、イマジナリー遊びが得意だったから。
地図の上で街を旅していた子どもが、そのまま実際の街を歩くようになっただけだ。
親近感がすごかった。

田園都市線で街歩きの途中に、ぜひ。
迷子にならないためのフィールドワーク豆知識
地理系ブックカフェを後にしながら、駒沢大学駅近辺をすこしぶらりと歩いた。
地図を読んでいると街が面白くなる。
街を歩いていると逆に地図が面白くなる!
せっかくなので最後に、街歩きのときによく使う方角確認の小ネタを紹介しておきます。

高い建物を探す
住宅街で東西南北が分からなくなったときは、まず高い建物を探します。
高い建物の周辺には大通りがあることが多いので、とりあえずそちらへ向かえば、現在地を把握しやすくなります。
太陽で方角を確認する
太陽のどっち側を歩いているか意識するのもオススメです。
太陽は毎朝東から昇り、昼ごろ南の空で南中して、夕方には西へ沈みます。
日光が当たる方向で、大まかな方角が掴めます(厳密には季節によってズレますが、街歩きのコツとして)。
影の向きで判断する
太陽が見えなくても、影を見る方法があります。
影は太陽と反対側へ伸びるので、昼間なら影の向きから南北の見当がつきます。
植物の向き(雑学寄り)
たとえばヒマワリは開花すると東向きで固定されることが多いそうです。
見つけるとつい方角を確認したくなります。
地形を見る
水は高い場所から低い場所へ流れます。
坂道の向きや地盤の高低差を意識すると、川や海との位置関係が見えてきます。
東京や神奈川の東側にいると、東へ向かえばだいたい海に着く。
そんなことを考えながら歩くと、「大まかにどっちにいる」かは分かるもんです。
もちろんスマホの地図アプリを開けば一瞬なんですが、それをやらずに現在地を推理するのも街歩きの楽しさだったりします。

駒沢公園敷地を外れた所に暗渠がドン
田園都市線の街で、僕が地図好きになった原点に出会った一日でした!
地図好きはもちろん、スイーツ休憩にもちょうどいい、地理系ブックカフェ「空想地図」。でも個人的には、それ以上に子どもの頃の自分と再会した場所だった気がします。
地図を眺めていた少年は、そのまま街を歩く大人になりました。
今も相変わらず、地図を片手に街を巡ってしまう(グーグルマップのピンの数がエグいです)。
たぶん一生変わらないのでしょう。
また面白そうな場所を見つけたら、ふっと歩いてみようと思います。
■関連記事
東京生まれ、東京育ち。旅ブロガー。
東京の都市開発の歴史(特に水辺)が好きで姉妹サイトにて「東京街歩き」を連載中。スイーツ男子。
アルバム、都市の旋律
流れるイオタ(前田紗希×矢野聖始/コラム : オキツカズヒロ)が、2024年10月23日に5作目のフルアルバム『都市の旋律』をリリースした。
全11曲で、各駅の街の表情や空気を音に落とし込んだ、ミュージック・ツーリズム作品だ。
ただのBGMではなく、音楽が、旅のガイドブックみたいな存在になったらいい。そんなアルバムを目指している。

⇩アルバム『都市の旋律』 トラックリスト⇩
01 浜松町、動き出す街の鼓動
02 天王洲アイルの静寂
03 大井競馬場デイライト
04 流通センターを抜けて
05 昭和島ノスタルジー
06 整備場パッシングバイ (feat. Rica)
07 天空橋アクロス
08 第3ターミナル、ニューヨークへ
09 新整備場ライト&ダーク
10 第1ターミナルの雨音 (feat. 松崎 和訓)
11 羽田空港第2ターミナル – 旅の終わりと始まり (feat. 小畑 仁)
Spotifyなどでぜひチェックしてほしい。
▶︎配信リンク: https://lnk.to/9tAPyv1m
Spotify(クリックすると音楽が流れます)
🌆東京モノレールの車窓から見えるのは、都市の表情そのもの。
「動き出す街の鼓動」を聴きながら、音楽と旅の新しい関係が始まる。